YVES CUILLERON

イヴ・キュイユロン
ローヌの名門、新世代コンドリューの旗手

<歴史>
3代にわたるワイン農家。1920年に祖父がブドウ栽培をスタートし、戦後1947年頃には瓶詰め販売を行っていました。1960年に叔父のアントワーヌがドメーヌを継承、続いて1987年にイヴ・キュイユロンが継ぎ現在に至ります。もともと機械関係の仕事についていましたが、ローヌで育った子供時代から豊かな食生活とワインのある生活を体感しています。兵役でアルザスに滞在した頃、地元で素晴らしいワイン・テイスティングの機会に恵まれ、雷に打たれたような衝撃をうけました。叔父の引退を機に、かたい決心とともに迷うことなくワインの世界へと飛び込みます。

<土壌>
ローヌ北部は、豊かなローヌ河の恩恵をうけた土壌が広がっています。トラクターが使えないほどの切り立った傾斜、川の反射光でダブルの日照条件となる台地、ごく狭まった平地に広がる特殊なテロワール、ここでは日々自然のなせる技に感動せずにはいられません。またこういった過酷な土地の条件が我々のワインに大きな影響を与えているのです。ヴィエンヌ市は紀元前2世紀ごろからすでにワイン産地として有名でした。一見痩せた土地ですが、花崗岩が多い特殊な地形に、各所のテロワールが複雑に絡み合っています。

右岸のコート・ロティに多くみられる結晶岩と切り立った土地、コンドリューやサン・ジョゼフの花崗岩・沖積土はよりなだらかな丘陵地にみられます。左岸でも地中には同様の土壌がみられ、新生代第四紀の沖積土土壌と第三紀・斬新世、中新世の堆積粘土土壌が複雑に共存するテロワールもあり、興味はつきません。

<醸造>
栽培面積について、1987年に3.5Haを継承したのち、現在59Haにまでに規模を拡大しました。うち、29Haはおもに斜面の台地部分に、密度の高い割合で植樹されています。クオリティの高いブドウ獲得のため房数を限り、残り30Haは密度が低く広々とした植樹をした上で、ハーブを群生させ、ブドウ木の根が地中より深く伸びるようにしています。ハーブ水や植物性の溶剤を撒く場合や、葉摘み・間引きをする場合などはすべて手作業です。もちろんこれら溶剤は最低限の散布にとどめ、葉摘みも注意深く行われます。

基本的には除草剤は一切使用しません。肥料については、ごくまれに必要だと判断した場合にオーガニック肥料を使います。土地の侵蝕が進んでいる区画もあるため、これらの溶剤・肥料の使用については極力おさえています。畑にカビ害などが発生した場合は、ビオディナミでも使用される植物性の溶剤を適切な時期に散布します。2012年からドメーヌでは独自の溶剤システムを確立しました。最も環境に配慮したシステムであり、環境省のガイドラインにも適応しています。

収穫は手摘み、選別は複数回、天然土着酵母による自然アルコール発酵が始まり、ワインが造られます。醸造上の添加物は殆ど加えません。唯一、白については厳しく温度管理をしています。赤ワインについて除茎は一部ほどこし、マロラクティック発酵は樽内でスタートします。AOCワインについては1~4年樽を使用、熟成期間は9~18カ月、キュヴェごとにそれぞれ違います。白は軽くフィルター処理、赤はフィルター処理なし。VDPワインについては熟成期間は6~8カ月で、樽とステンレスタンクの両方を使用。キュイユロンで使用する樽はブルゴーニュ産のみで、5~6社から取り寄せています。

<理念>
イヴは「完璧なワイン」を造ろうとは考えていません。「キュイユロンのワインだ!」とわかってもらえるワインが作りたいのです。テロワールが反映され、ヴィンテージの特徴がわかり、さらに造り手のキャラが見えるワイン、それが最高。だからこそ、彼は畑ごと、区画ごとに細かくキュヴェをわけて醸造をするのです。その結果キュヴェはどんどん増えていき「迷路」と呼ばれる程にアイテムが広がります。が、すべては唯一無二のベストな表現なのです。どれも似ていて個性がないというのは面白くない、だからこそ其々の「違い」をとても大切にしています。

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